予告通り「あずさたん」のお話し付きです。エキドナのイラスト同様直接的な描写はないですが、アダルトな感じの表現がちりばめられています。苦手な方はご注意ください。
「三浦あずさ 散る瞬間(とき)」
不規則な振動がガタガタと身体に伝わって来る。その不快な揺れに負けじと、頭上に取り付けられている空調が異音を響かせていた。
それは、乗っているというよりは運ばれているといった感覚に苛まれる、古びたエレベータだった。
あずさは、困惑した面持ちで周囲を見渡した。不安なあずさの気持ちを煽るように、周囲の壁には赤やら青やらの派手なマジックでいたずら書きがしてあった。単に名前を書いたものから、言葉にして発するには憚られる卑猥なものまで、まるで『公衆トイレ』さながらに殴り書きされている。この事だけ見て取っても、ここの管理がおざなりになっているのが見て伺える。
エレベーター内は両手さえ広げられない程狭い空間だった。そして、そこにはあずさともう一人、男が乗り込んでいた。
エレベーターの操作パネルの前に、あずさに対して背を向けて立つ男。良く見知っている男だった。
最近、『癒し系アイドル』として芸能界で頭角を顕し始めたあずさ。目の前に居る男はそのあずさにデビューのきっかけを作り、レッスンからアイドルとしての方向性すら指針し、厳しい芸能界の上へと押し上げた敏腕プロデューサーだ。
マイペース…といえば聞こえがいいが。あずさは自分のその性格が他者を蹴落としてまで生き残る事を常とする芸能界に向かない事を自覚していた。たぶん、プロデューサーの手腕がなければ今の自分は居ない。感謝しても仕切れない存在だ。
しかし…。
そんな恩のあるプロデューサーに、あずさは不安な気持ちを覚えていた。こんな気持ちは始めてだ。その感覚に押され、自分に背を向けているプロデューサーに言葉を投げ掛けようとする。…が、あずさはその言葉を飲み込み葛藤した。先ほどからこの繰り返しだった。
―『事の始まりは2時間程前』
民放局のゴールデン枠に放送されている人気バラエティー番組。その収録にあずさの姿があった。持ち前の天然ボケと的を射た発言の絶妙なバランスで、その番組内のあずさの存在は看板的な位置にあった。
視聴率は好調で番組スタッフや制作会社は元より、一緒に出演している芸能人にすら好意の眼差しで迎えられていた。今日も好調な感じで進み、無事収録が終わった。
楽屋に戻ると、部屋の前に人の姿があった。あずさはその姿を見るや収録の疲れも忘れ、小走りで駆け寄った。
「プロデューサーさ~ん」 デビュー当初はそれこそ付きっ切りであずさを指導して来たプロデューサーだったが、人気が安定した現在その姿は日に数回。酷い時には2、3日姿を見掛けない時もあった。こうして現場に訪れる事は殆ど無く、その突然の訪問故にあずさは喜びを隠せなかった。
そんな感極まっているあずさとは対象的に、プロデューサーは冷静に用件のみを伝えた。
「…飛び込みの仕事ですか?」
あずさは小首を傾げプロデューサーが告げた言葉を反芻した。何でも、レッスンを兼ねた仕事があるとの事だ。番組収録以降は特に予定は無い。マネージャーにも話しは通しているらしい。…何よりプロデューサー直々の申し出。
「わかりました」あずさは快く承諾した。
荷物をまとめ楽屋を後にすると「あっ」と、何かを思い出したようにあずさは声をあげた。その声に訝しげに振り向くプロデューサーに笑顔で「ちょっと…着替えて来ます」と、再び楽屋に戻った。
少しばかりの時を置き、「お待たせしました」と、戻って来たあずさだったが着替えの割りに服装に変わった様子は無かった。プロデューサーがその事を指摘すると 「いっ…いいんです、さぁ早く行きましょう!」と、頬を僅かに赤らめ先を急がせた。
プロデューサーの車に乗り、約1時間半ぐらい経った頃目的の場所に到着した。
閑静な住宅街。と、いえば聞こえがいいが、都心から離れているうえに交通の不便さから自然と人口が少なくなった住宅街だった。空き地が多く目立つし、夕刻を過ぎ辺りが暗くなっているにも関わらず灯りをともさない打ち捨てられたような家が多く目を引いた。
そんな町並みにあり一際目立つマンションがあった。酷く古めかしい廃墟すら想像させる建築物だ。二人を乗せた車はそのマンションの前で止まった。
無言で車を降りるプロデューサーの後を追うように、あずさも車から降りマンションを見上げた。レッスンを兼ねた仕事と聞いていたのでてっきりスタジオのような場所を想像していたが、これでは『幽霊スポット』の突撃レポーターみたいだ。
その手のものに弱いあずさがぶるっと肩を震わせた。
そんなあずさをひとり置き、プロデューサーはマンションの正面入り口へと歩き出した。
「あっ」あずさは慌てて後に続いた。
最近の常識とされているセキュリティ装置が無いのか、入り口は難なく開いた。特に誰何の声を掛ける者もなく、安全面の問題に疑問を感じる。
入ってすぐの左右には、まるで学校の下駄箱のように郵便受けが並んでいた。いくつかの郵便受けの口元からは新聞やらチラシの端が飛び出しており、雑多な雰囲気を醸し出している。
それにしても…と、あずさは思った。外観も不気味だが中も気味が悪い感じを受ける。一応照明があるにはあるのだが、全体的に薄暗く照明としての機能を満足に満たしていない。良く住民からの不満が漏れないものだとある意味関心させられてしまった。
二人はその場所を抜てすぐの所に設置されているエレベーターの前で立ち止まった。
そこであずさはこのマンションの階層構造を理解した。エレベーター横の表示ボタンの最上階は10階。見た目よりも意外と大きい。
プロデューサーが9階のボタンを押すと、1階に待機していたエレベーターがガタゴトと大きな音を立て開く。周囲が静寂に包まれているだけにその音が余計に響いた感じがする。
薄暗い周囲とは対照的に、エレベーター内は明るさで満たされていてそこだけが違う世界を連想させられる。
…まるで違う世界に繋がっているかのように。
尻込みするあずさに構わず、プロデューサーはエレベーターに乗り込んだ。小さく溜息を付きあずさも続いた。
…動き始めたエレベーター。しかし、乗っている時間が妙に長く感じる。
長いという事は、考える時間も長く感じられる事になる。先ほどからあずさの思考は、不安と疑問のせめぎ合いをしていた。正直に告白してしまえば、『ここ』から逃げ出した気分だ。しかし…と、目の前に視線を移す。
そこにはプロデューサーの姿があった。
この人に付いて行けば絶対だ。今までがそうだったし、これからもそうだ。
(この人はプロデューサーというだけじゃない…)そう、あずさの運命の…。
あずさの思考がガタゴトという音と共に、現実へと引き戻された。どうやら目的の9階へと付いたらしい。再びエレベーターがポッカリと口を開いていた。その先は1階と同じく薄暗い廊下が続いていた。
1階と違うのは廊下の左右に規則正しく扉が並んでいる事。その扉はそれぞれ住居スペースへと繋がっている。しかし、ここも人が生活している感じのしない奇妙な空間だった。等間隔に置かれている観葉植物は葉の先が茶色に変色し手入れがされていないし、廊下に敷かれた擦り切れた絨毯の上には所々ゴミが落ちている。
人が暮らす場所というより、掃き溜めのような場所だ。
目的の部屋はエレベーターから降りて一番奥の場所にあった。あずさは途中落ちていたペットボトル空き容器に足をとられつつもその場所に辿り着く。
プロデューサーが扉の横に備え付けられているインターホンのボタンを2回押す。するとすぐに不機嫌とも感じられる男の声が返って来た。2,3言会話を繰り返すと、ガチャリと鍵を空ける音と共に扉が開いた。
柄の悪そうな男が扉の隙間から顔を覗かせ二人を見る。納得したように小さく頷くと、首を微かに振り二人を中へと誘った。プロデューサーが先に入り、あずさが後に続く。
中に入ったとたん、何ともいえない匂いがあずさの鼻腔に飛び込んで来た。タバコと酒の匂い…それに何と表現したらいいのかわからない据えた匂いが混ざり合って悪臭といっても差し支えない匂いだ。鼻どころか、全身にその匂いがまとわり付く感じがして、あずさは小さく「うっ」と、呻いた。
部屋の中を見渡す。広さはだいたい20畳ぐらい。L字を逆さにしたような部屋は、たぶんリビングと普通の部屋を無理矢理繋いだものだと思う。途中から壁の材質が不自然に変わっているので何となくそれが判る。入って来た扉の左側にもう1部屋あるのか、そこはアコーディオン状のカーテンで仕切られていてどういったものかわからない。
右側には小さな扉。たぶん、バスユニットかトイレへと通じてる扉と思われる。
そんな部屋に男が5人居た。一人は先ほど扉から顔を覗かせた男。どこか神経質そうな感じのする痩せた40代ぐらいの中年だ。今はプロデューサーと話し込んでいる。時折あずさの方に視線を送り、再び会話を始める。たぶん、あの男がここの責任者だと思われる。
他の四人はそれぞれ思い思いの場所に腰を降ろし、酒をあおりつつタバコをふかしていた。時折会話の端々で下品な笑い声をあげている。その男達の一人があずさの存在に気付き「あっ」と、声を上げた。
それが合図のようにあずさに熱い視線が降り注がれる。「あずさちゃんだっ」「ホンモノだ」酒臭い息を吐きながらそれぞれ興奮気味に言葉を発しながらあずさに近づく。
「あっ…あのぉ」その気迫に押され後ずさるあずさ。だが、後ろは扉で行き止まりだった。
そんなあずさを男の一人が強引に手を引き中へと誘う。同時に他の男が着ていたコートを脱がし始める。「あっ」 あずさは困惑しプロデューサーの方を見た。
プロデューサーはそんな様子を気にするでもなしに、先ほどの男と会話を続けていた。
部屋の中央まで引っ張られて来たあずさに、イスが勧められた。仕方なくあずさはそれに腰を降ろした。男達はニャニャと笑みを顔に貼り付け、あずさを上から下まで舐めるように見つめた。
生きた心地がしないというのはこの事だろうか。あずさは叫んで泣き出したい気持ちを必死に堪えた。
そんなあずさに紙コップ入った飲み物が差し出された。見ると差し出しているのはプロデューサーだった。「あっ、ありがとうございます」気に掛けていないようで気にしている。それがこのプロデューサーの素敵なところだ。あずさははにかんだ笑顔を浮かべながらその飲み物を受け取ると一口含んだ。
紙コップの中に入っていたのはすっかり冷めて温くなった紅茶だった。「・・・・・・」あずさはその紅茶を思い詰めた表情で見つめた。
どうした? そんなあずさの様子を見てプロデューサーが怪訝そうに声を掛ける。
その声に我に返ったように「いえ、なっ何でもありませんっ」と、あずさは答えると残った紅茶を一気に飲み干した。
「じゃあ、始めようか」プロデューサーとのやりとりの終わりを待っていたかのようなタイミングで、一人の男が声を掛ける。…一体何を始めるのか?と、あずさは返答に困った。部屋を見れば僅かな照明器具と安っぽいカメラが数台。学生の自主制作映画の方がよっぽどましな機材を揃えている。そのうえ普通のこの部屋だ。何も聞かされていないあずさに何をしろというのか甚だ疑問であった。
「じゃあ、まずプロフィールから」と、先ほどと同じ男が言葉を続けた。「えっ?」小首を傾げるあずさ。が、既に二人の男がカメラを回していた。仕方なしに「みっ、三浦あずさ…20歳」と、差し障りのない紹介を始める。
「趣味は犬のお散歩。それに、お昼寝…」このような場所で自分は一体何をしているのだろうとも思ったが、本来の真面目な気性が疑問を打ち消し言葉を紡ぎ始める。すると、カメラを構えていた男の一人がカメラを覗いた状態のままあずさににじり寄って来た。
「えっと…あの」(近い…)カメラのファインダーに収まるのだろうか?と、疑問思う程あずさに接近する男。顔からうなじ、胸へとまるでカメラを押し付けるように動かす。(この人…)部屋に来た時からこの男の視線には嫌悪感を懐いていた。他の男達もあずさの身体を嘗め回すように見ていて不快な感じだったが、この男はずっと、あずさの下半身の一点のみを食い入るように見詰めていた。そんな男の荒い息遣いがあずさの耳に入って来る。その男が一瞬カメラから目を外しあずさを見詰めた。ギラギラと血走った獣のような目だ。
あずさはごくりと唾を飲み込んだ。
そんな緊張の間に割り込むように、先ほどから指示を出している男が再び声を発する。
「じゃあ、服を脱いで下着姿になってみようか」獣のような男に割り込むように入った指示に、一時は安堵したあずさだったが、その言葉に「えっ!」と、驚きの声をあげた。自分の聴き間違えかとも思ったが、確かに男は『下着姿』と言った。
驚くあずさに男は「ここからCG処理をするから、身体のラインが判り易い方がいいから」と、もっともらしい言葉を発する。
あずさは助けを請うようにプロデューサーを見た。が、プロデューサーは壁にもたれ掛かり腕を組みこちらを見詰め返すだけだった。
「…わかりました」プロデューサーは何も言わない。という事はこれは予定に入ってる事なのだ。それならばあずさに異を唱える理由は無い。例えそれが無茶な難題でも…だ。
あずさはイスからゆっくり立ち上がると、ブラウスのボタンに手を掛けひとつずつ外し始める。ボタンを外す度に白い首筋、鎖骨、そして胸の谷間とそれを覆うレースの白いブラが好機の眼差しを送る男達の前へと姿を現す。その度に「おおっ」と、興奮気味の小さな声が男達から漏れた。
ブラウスを脱ぎ捨てると、スカート脇のホックへと手を掛ける。その動作を見逃すまいと見詰める男達。トップアイドルともいえるあずさのその扱いは、傍目から見れば奇異な光景だった。これではまるでストリッパーだ。
スカートのホックがパチンという小さな音をたてあずさの手から離れる。と、スカートは重力に従いスルリと抜け落ちた。
下着姿のあずさが男達に視線から逃れようと恥ずかしげに身をよじる。上は清楚感が漂う白のレースのブラ。しかし、下半身を包むパンツはピンク。それも、下着として意味の成さないような程生地がスケているものだった。髪の毛と同じ色の茂みと女性として大事な部分が殆ど露になって息づいているのが見てとれる。それは『清純、癒し系アイドル』として売り出しているあずさのイメージから掛け離れた姿といえた。
男達がゴクリと唾を飲み込む音が耳に届き、あずさは耳の先まで真っ赤にした。
「あずさちゃん、凄い下着履いるね」「こんな趣味があるなんて知らなかった」などと男達が勝手な感想を述べ、蔑みの笑いを漏らした。
あずさは涙混じりの瞳をそらし、小刻みに身体を震わせ耐えるしかなかった。
そんなあずさを見詰め、プロデューサーが「・・・・・」考え込む。(確かあの下着は…)デビュー当時の頃自分が冗談気分で「色気路線で行け」と、プレゼントしたものだ。受け取ったあずは「こっ、こんなもの履けませんっ」と、顔を真っ赤にして怒っていたのだが…。
「どうした?」と、考え込むプロデューサーに対し、最初に部屋に招き入れた男が言葉を投げかける。
その言葉にプロデューサーは「別に…」とそっけなく答えた。それを聞き。まあ、いいかという表情で正面のあずさの方を向き会話を続ける。
「それにしても、芸能界ってういのは酷いとこだな。あんな清純な子を汚して地位を得ようなんざ」全ての事情を知っている男が毒づく。「もっとも、自分自身もそういう汚れた仕事を生業とするクズだがな」と、自嘲気味に笑いながら続ける。
その言葉を聞いてもプロデューサーは微動だにはしなかった。
『765プロダクション』に所属しているプロデューサーに大手『スクエニプロダクション』から声が掛かったのは一ヶ月程前の事だった。スクエニプロダクションのプロデュースを全て任せる好条件の誘いだった。しかし、その見返り…というか、765プロダクションを裏切った証に『有能なアイドル』を潰す事が契約条件に盛り込まれていた。
そして、その白羽の矢がたったのが『三浦あずさ』という事だ。
「あの子、信じ切ってるのになぁ」実に残念。という口ぶりで男が呟く。しかし、プロデューサーの表情は変わらない。
男はそんなプロデューサーを気にするでもなく、腕時計を見た。そして「…そろそろ時間だな」と、遠巻きからあずさの様子を伺った。
「じゃあ、邪魔なブラも脱いじゃおうか」あずさに接する男達のリクエストは次第にエスカレートして行った。しかし、あずさはそれを否定する事はしなかった。
何故ならこれはプロデューサーが望んでいる事のようだからだ。ここに連れられて来た時。そして、男達の行動。いくら鈍いあずさでももう気が付く。自分が何をされているのか…そして、これから何をされようとしているのか。だが否定はしない。その事でプロデューサーが満足するならあずさはそれで充分だった。 だけど震えが止まらない…何故だろう覚悟を決めたというに。
「…はい」あずさはブラのホックに手を掛け、勇気を振り絞り指先に力を込めた。プルンと音がするかのような連想すら抱かせる程豊満な胸が露になる。同時に瞳に溜まっていた涙が頬をこぼれ落ちた。
「表情が硬いな、もっと笑顔で…そう、乳首を指で摘むようにして」
「…はい」あずさは自分の乳首を指で摘むと、いつもの『癒し』の微笑みを浮かべた。
「いいね」「あずさちゃん最高だよ」男達の口からいい加減に聞こえる賛辞の言葉が飛び出す。
この茶番はいつまで続けられるのだろうか?男達は自分を生殺しにでもするつもりなのだろうか?あずさがそう思っていた時…。
ドクンッ!身体の奥が脈を打つ感覚がした。その不意な感覚にあずさは「ひゃうっ!」と、間の抜けた悲鳴を上げた。
いきなり始まった脈を打つ間隔は次第にドクドクと早まり、身体全体が熱を帯び始めて来た。
(あの時の…)プロデューサーから手渡された紅茶。(あれに入っていた薬が…)効いて来たのかと、あずさは理解した。
紅茶好きのあずさは一口飲んでその妙な味に気が付いた。何かが入ってる…その効果はわからないが薬の類が入っているのはわかった。しかし、プロデューサーから手渡されたそれを飲まない訳にはいかない。そう、それが例え一瞬で命を奪う毒薬でも…だ。
「あっ」 「ああっ」風邪でもひいたかのように身体がフラフラして来る。視界がぼやけ、男達のニヤニヤとした顔がゆがんだ。
あずさは全てを受け入れる決心をした。しかし、心残りは…ある。プロデューサーからプレゼントされた下着。これを身に着けるのはプロデューサーと一緒の時と決めていた。だから他人の前に晒されるぐらいなら、あの時…プロデューサーに誘われ時に楽屋に戻ってまで着替えなくても良かったと思った。
「はぁ…はぁ…」息が荒くなって来た。何故か胸の先の乳首が痛いような、痒いような感じになって来る。そして、足に力が入らなくなりフラフラと身体を彷徨わせた。
「おっと」
倒れそうになったあずさの身体を支えたのは見知らぬ男だった。それも下着すら身に付けていない全裸の男だ。あずさは擦れた思考の中で、この男はどこから来たのかと不思議に思い首を巡らせた。
今まで閉じていたアコーディオン状のカーテン。そこが開いていた。そこには今あずさを支えている男を含め4人の男が待機していたようだ。そしてその全員が裸。見るとカーテンの向こうの部屋には大きめのベッドがひとつ備え付けられていた。
正常な状態のあずさだったら、悲鳴のひとつでも上げていたに違いない。が、今のあずさの思考は霧が掛かったようにぼやけ、まともな考えやリアクションすら起こせないでいた。
そう…もう逃げる事は出来ない。
全裸の男達が取り囲み、節くれだった手をあずさの肢体にすべらせた。ねっとりと愛しむような動き。力の入らないあずさは、その動きに翻弄され舞い落ちる木の葉ように身を任せる事しか出来ないでいた。
正面を見ると、最初から居た男達もいそいそとズボンを降ろし始めていた。その男達の一人がスケッチブックに書かれた文字をあずさに見せた。
『カンペ』というものだ。 番組の進行や、台詞などをカメラの見切り位置から出し、出演者のサポートを目的とするもの。
あずさは男達の手に弄ばれながら、普段の仕事の習性か反射的にそのカンペの文字を読み始めた。
「これかりゃ…あずしゃはぁ……」薬の効果が全身に回り、あずさはまともに言葉すら発せられなくなっていた。その姿は痛々しくもあった。
「あずしゃは…この男のひとたひとぉ…」自らの死刑宣告のような内容の文章を朗々と読み続ける中、微かに残った正常な思考が別の事を考えていた。
それは自分にこんな仕打ちをしたプロデューサーに対する恨み言や悲しみの言葉ではなかった。
(プロデューサー)いつも厳しいプロデューサー。だけど、レッスンが終わった後に微かに微笑み「よく頑張ったな」と、短く褒めてくれた。感情の表現が不器用だけど私は知っている(とっても優しい事を…)
そんなプロデューサーにひとつだけ言い忘れていた事がある。それはあずさが芸能界に入った理由に結び付いていた。
あずさが芸能界に入り、スターを目指したのは自分だけの『運命の人』を見つける事にあった。人に言えば笑われる事はわかっているのでその事は胸の内にしまって置いていた。いつ現れるかわかない運命の人…だけど、その人は意外と近くに居た。そう、いつも自分を見守り、励ましてくれた。
『あなたが私の運命の人ですプロデューサー』
(この仕事が終わったら…)全てが終わったら。
(よく頑張ったなって…いつものように褒めてくれるかな?)
そんな微かに残った思考も…闇に飲み込まれて消えていった。
―END
なっ、長いっ。状況説明に留めるだけにしようと思ったのですが、やたらと長くなりました。
それにしてもアレですね。文章も余り書かないと言葉が出て来なくなりますね。エラく苦労しました。めっさ稚拙な文章だし…。でも、文章というのも絵や漫画と違う魅力がありますね。書いてて楽しめました。…後半疲れて、駆け足気味に書いちゃいましたけど。
それと誤字脱字があったらご勘弁っ。あと、意味間違って使っている言葉とかもいっぱいありそうである意味ドキワク。後で文章推敲して変なとこあったら修正して置きます。今はもうヘトヘトです申し訳ないっ。
それにしても乳首ですYO! ち・く・び。 描いちゃいましたっ「てへっ!」
って、「だっ、大の大人が乳首ぐらいでオロオロするねいっ!(オロオロ)」まぁ、ダメだったら消します。ハイそれだけです。
お話し内容。グダグダですみません。というか、読む人居るのかどうか謎ですけど。
話しの結末は「ハッピーエンド」と「バッドエンド」なもの二種類あります。バッドエンドはこのままズルズルな感じです。
ハッピーな方はああなってこうなって、あずさたんの勇気ある告白があります。まぁ、書く予定は今の所ないですっ。
それにしてもこんな話し、「あずさたん」ファンには見せられましぇんなぁ~。
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